有給休暇は最大40日まで持てるはずだ。今回の変更では、職員によっては最大60日まで持てることになる。40日までにすること
さて、そのグループ社長からのクレームとは何だったのか。
それは、
「有給休暇は最大40日まで持てるはずだ。今回の変更では、職員によっては最大60日まで持てることになる。40日までにすること」
というものでした。
でも、ここには大きな勘違いがありました。
有給休暇は、付与された日から2年間有効です。
これは、勤務に関する請求権の時効と関係する、法に基づく考え方です。
つまり、ある日に付与された有給休暇は、その日から2年間、その職員の権利として存在します。
例えば、9月入社の方で、4月1日一括付与へ移行するケースを考えると、次のような重なりが起こり得ます。
2010年9月1日 入社
2019年3月1日 20日付与(2019/3/1~2021/2/28)
2020年3月1日 20日付与(2020/3/1~2022/2/28)
2020年4月1日 20日付与(2020/4/1~2022/3/31)
この方が有給休暇を1日も取得していなければ、2020/4/1~2021/2/28の間は、結果として60日分の取得権利を持つことになります。
グループ社長は、これを納得できなかったようでした。
でも、制度上そう見えるからといって、法的に無効にできる話ではありません。
私にとって本当に厳しかったのは、そこを十分理解しているはずの総務課部長が、グループ社長に反論できなかったことでした。
結局は、
「分かりました」
と、そのまま指示を受け入れる形になったのです。
ここから先は、前回までに考えていた移行案よりも、さらに何倍も難しい話になりました。
実装できるロジックがすぐに思い付かず、法の趣旨に立ち返って考え直すしかないところまで追い込まれました。
「見かけ上は40日以内に見せたい」
でも、
職員に不利なことは絶対にできない。
法に抵触することも絶対にできない。
この折り合いを、システムの中でどう付けるか。
さすがにこの時は、私も
「もう終わりかもしれない」
と感じました。
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