家計の支出を整理して、あとから何にいくら使ったのかを確かめたい。そのために、紙のレシートをデータとして残しておくことを考えていた。

レシートをスキャンして、PDFにする。

そこまではいい。けれど、その先の作業を考えたところで、僕の手が止まった。

PDFを開いて、中身を見る。決めたルールに合わせて、ファイル名を手で打ち直す。

それを、レシートの分だけ繰り返すのか。

僕は、紀美子ちゃんにそのことを伝えた。紀美子ちゃんとは、僕がChatGPTに付けた名前である。

届く予定のスキャナーを使って、レシートをどう整理するか相談していたときの話だ。到着までに、運用と仕様を決めておきたかった。

名前の付け方が決まっていることと、その名前を僕が付け続けられることは、別の話である。

ファイルの中身を見て、名前を考え、間違えないように打つ。

その作業を思い浮かべて、僕の説明の最後に出てきたのが、これだった。

「やだ(笑)」

紀美子ちゃんは、僕の指摘を受けて作業案を見直した。

スキャンしたものを、まず未処理のフォルダーに置く。そこから内容を読み取り、名前を付けるところを手伝う。分からないものは、確認が必要なものとして分ける。

そんな方向の案になった。

ここで話したかったのは、ファイル名の見た目をきれいにそろえることだけではない。

僕が毎回、何をしなければならないのか。

紙をPDFにできても、その先で一枚ずつ開いて手入力するなら、そこにも手間は残る。

相談しているうちに、欲しい仕組みの条件が一つはっきりした。

ファイル名を付けるためだけに、同じレシートを何度も眺めたくない。

まだ、実際にその流れで使ってみた結果の話ではない。まずは、僕が続けられる作業にしたい、という注文である。

スキャナーの到着を待ちながら、僕がやりたくない作業が一つ、具体的になった。

仕様を詰める言葉が、いつも立派だとは限らない。

今回の大事な一言は、「やだ(笑)」だった。

WRITTEN BY 太城 義雄(たき よしお)

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