正確性のために二人へ増やした作業を、元の一人へ戻したい。ただし、注意力へ仕事を押し戻してはいけません。
01 / THREE PRIORITIES
1に正確、2に迅速、
3に安く。
二人で照合すれば正確性は上がる。しかし、人手は多くかかります。速さや安さのために一人へ戻せば、 また同じ間違いが起こるかもしれません。三つの条件は、どれか一つを捨てればよいものではありませんでした。
02 / ENCOUNTER
答えは、隣の展示会にあった。
東京ビッグサイトで開かれた展示会へ行ったとき、物流展も併設されていました。ついでに見てみると、 倉庫内で音声を使ってピッキングし、二人で行っていた作業を一人にした事例が紹介されていました。
検体も、依頼に応じて正しい現物を選び、間違いなく次工程へ渡すという点ではピッキングです。 「これを検体照合へ持ってくれば、同じように一人でできるのではないか」と考えました。
03 / TWO-WAY VOICE
コンピューターは、
話すだけではない。
物流展で見た仕組みは、コンピューターに指示をしゃべらせるだけのものではありませんでした。 音声合成で作業者へ指示を伝え、作業者が声で答えると、今度は音声認識でその返事を受け取ります。
検体照合へ置き換えると、システムが患者名や必要な試験管を読み上げる。作業者は該当する試験管を取り出し、 「はい」「次」などと答える。アプリはその声を認識し、次の確認へ進みます。
つまり置き換えたのは、単なる「読み上げ係」ではありません。アプリが伝え、作業者の意思を受け取るところまで含めて、 人とシステムがペアになるようにしたのです。
04 / THE QR ALREADY THERE
音声とは別に、
試験管にはQRがあった。
この現場には、すでにバーコードリーダーがありました。試験管には一つ一つを特定するためのユニークなQRラベルが貼られ、 読み取ったQRを画面上の依頼情報と照合していました。QRには試験管の種類情報も持たせていました。
システムが伝え、人の返事を認識して作業を進める。
いま読み取った一本が、どの試験管なのかを確かめる。
この時点でQRの役目は、あくまで試験管の識別です。ところが作業者の手の動きを見ているうちに、 私はこのリーダーへ、もう一つの仕事をさせることを思いつきました。
05 / RESULT
一人になって、
間違いも減った。
コンピューターは、同じ情報を同じ調子で読み上げます。言い間違えず、疲れません。 さらに、作業者の返事もシステムが直接受け取ります。人は試験管を正しく取り出すことへ集中できます。
照合作業の構成
2人 → 1人正確性を注意力へ戻さず、役割分担を再設計技術を探したのではない。
似た仕事を探した。
CHAPTER 02 · EPISODE 02 / 09