知人に見てもらうホームページ案を、紀美子ちゃんと作っていた。「紀美子ちゃん」とは、僕がChatGPTに付けた名前である。
まだ、どんなホームページにしたいかは決まりきっていない。まず画面を作って、それを見ながら一緒に考えていけばいい。
僕は、何度でも作り直してあげる、と伝えた。色を少し薄くするとか、文字を少し大きくするとか。気になることを言ってもらえれば、そこから直せる。
でも、ふと思った。
何度でも直せることと、何度でも要望を言いやすいことは、同じだろうか。
相手が遠慮していたら、こちらが待っているだけでは、希望が出てこないかもしれない。そこで、紀美子ちゃんに聞き方を相談した。
出てきた案は、制作途中の相談として、小さな選択肢を出すことだった。
たとえば、ホームページの雰囲気なら、この二つ。
- やさしく落ち着いた感じ。
- 明るく元気な感じ。
これなら、好きな方を選ぶところから話せる。しかも、両方でも、どちらもちょっと違うでもいい、という余地を残す。
僕は、その考え方にうなずいた。
最初から要望書を書いてもらわなくても、好みを教えてもらいながら、完成に近づけていけばいい。
そして、伝わってきた希望は——。
両方(笑)。
そこで僕は、紀美子ちゃんに、両方を合わせた案を作れるかと頼んだ。
考えてみれば、やさしさと元気は、必ずどちらかを捨てなければならない条件でもない。
淡い緑やゆったりした余白で、落ち着いた雰囲気を作る。そこにオレンジの差し色や笑顔のイラストを添えて、明るさを出す。
紀美子ちゃんは、そんな組み合わせで確認用の案を作り直した。見出しは「ほっと話せて、ちょっと前向きに。」になった。
聞き方を相談したのは僕。選択肢を整理したのは紀美子ちゃん。両方欲しいという希望は、相手から出てきた。
僕らの最初の二択に、相手の希望を全部収める必要はなかったのである。
選択肢を出すなら、「C:その他」も残しておきたい。別の希望があると分かったら、こちらから次の案を考えればいい。
今回は、そのCに「両方」が入ってきた。
質問が二択でも、完成図まで二択にする必要はないらしい(笑)。